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人<サメ<姉妹!「海底47m古代マヤの死の迷宮」

※ネタバレがあります。

 

予告編

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あらすじ

 

海に沈んだ檻の中で人喰いサメの恐怖と対峙する姉妹の姿を描いた海洋パニックスリラー「海底47m」続編。前作と同じく姉妹がサメと戦います。

 

感想

 クレジットの最後の方で、テロップが流れます。「本作の撮影でサメは傷つけられていません」「サメに殺される人は年間10人に満たないが、人はサメを年1億匹殺している」みたいなやつです。ここで私は思いました。「ヨハネス・ロバーツ(監督ね)、おぬしさては…人間よりもサメが…好きだな…?」

 まあパニック映画の定石ですが、本作の主人公グループは本来の予定を変更して誰にも告げずに「秘密の名所」に出かけ、よしゃあいいのにたまたまそこにあったダイビング用具を使って水中にあるマヤの遺跡を見に行きます。そしてよしゃあいいのに珍しい魚に手を伸ばして威嚇され驚いた隙に石柱を倒してしまい、はるか昔の文明を今に伝える貴重な遺物を破壊してしまうのです。ああなんと愚かな人間たち。そしてヨハネス・ロバーツにとっては愚かな人間<サメなので、以降主人公グループはサメに狙われることになります。浅はかにも遺跡の場所を主人公グループのひとりに教えたヤツがその報いを受けるかのようにバックリいかれてしまうのを皮切りに、次々と餌食になっていく愚かな人間たち! 中にはあの人とかあの人とかたいして悪いことなどしていない人もいるような気がしますが、まあ細かいことはいいのです。ヨハネス・ロバーツにとっては人間<サメなので。

 しかしヨハネス・ロバーツにはサメの他にもう一つ好きなものがありました。そうです。姉妹です。

 最初「海底47m古代マヤの死の迷宮」というタイトルを聞いた時は「あーまたちょっとヒットしたからなんかサメが出てる映画にそれっぽい副題つけてシリーズっぽくしたなんちゃって続編なんだなー」と思ったものですが、驚くなかれ、本作は実は「海底47m」の正式な続編であり、英題は第一作の“47 meters down”に対して本作は” 47 Meters Down: Uncaged”です。そして更に驚くことには、本作の何が” 47 Meters Down”なのかはさっぱり説明されないのです。水中にある遺跡が海底47mにあるんじゃない?と思ったそこのあなた、気持ちはわかります。気持ちはわかるのですがそんな設定はないのです。それなのに前作と本作がなぜシリーズなのか? そう、キーワードは「サメ」と「姉妹」です。このシリーズに共通のフォーマット、それはサメとの戦いを通して描かれる姉妹の絆なのです。いじめっ子にプールに突き落とされてもやり返すこともできなかったミアがサメとの戦いを経てサメをぶっ刺して退散させる強さを獲得して姉を助ける姿、それが監督が描きたかったものなのです。人間<サメ<姉妹という個性を持った監督、それがヨハネス・ロバーツなのです。

 

ちなみに

 

 ・ミアの父親役、どこかで見たなーと思ったら「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」のイアン役、ジョン・コーベットですね。なるほど。

 

 ・いつも映画.comからあらすじを引用しているが、キャストをやたら「○○の娘」みたいに呼んでいるので今回はやめました。私はそういう時は「××の父親は誰々である」と書くことにしているので…