映画を観る準備はできている。

映画についてのいろいろな話。

「物語」は彼女を救う。「ゴーストランドの惨劇」

※ネタバレがあります。

※ネタバレがあります。

大事なことなので二回言いました!何も知らないで観た方がいいと思います。

 

 

 

予告編

この映画は予告編を見ないで観た方がいいと思うので貼りません。

 

あらすじ

マーターズ」の鬼才パスカル・ロジェが6年ぶりにメガホンをとり、絶望的な惨劇に巻き込まれた姉妹の運命を、全編に伏線と罠を張り巡らせながら描いたホラー。(中略)出演はテレビドラマ「ティーン・ウルフ」のクリスタル・リード、「ブリムストーン」のエミリア・ジョーンズ。(映画.comより引用)

※あまり内容を知らない方がいいと思うので編集しています。

 

感想

「物語」は人を救う。それは真実だ。しかし、恐ろしい運命に晒されたベスが書いた物語――惨劇は当の昔に終わり、それに囚われ続けているのは姉ばかりで、愛する母は普通に生きており、自分は夢見た通りホラー作家として成功して夫と子どももいる――は彼女を救わない。それは未だ彼女が置かれている恐ろしい状況から目をそらし、逃げ込むための偽りの夢だ。必死に逃げ出すも再び囚われて、またしても恐ろしい状況に追い込まれてしまった時、ベスの心は逃げ出す。誰が責められるだろう。彼女はまだ子どもだ。十代の、誰かに守ってもらうべき子どもだ。しかし状況が彼女に子どもであり続けることを許さない。そのままその甘美な偽りの中に閉じこもっていれば、姉も彼女も無残に殺されて終わっていただろう。だがベスはその道を選ばなかった。必死に彼女を呼び、現実と向き合わせようとしていた姉のために、彼女は偽りの夢を破り捨てておぞましい現実へと足を踏み出す。自分の命のために、未来のために、戦うために。ファイナルガールの登場するホラー映画とは、常にそういうものではなかったか。ラスト、救急車の中で、「スポーツをやってるの?」と訊かれ、ベスは答える。「いいえ、書くのが好き」物語が彼女を救うのはこれからだ。彼女はきっと「ゴーストランドの惨劇」を書くのだろう。自分を救うために。

 

残念なところ

 この映画、どんでん返しを含むストーリーはすごく好きだし、終わり方もいいと思うし、映像はきれいだし、よくできていると思うのだが、一つだけ残念なところがある。

 ヴィランがつまらない。

 この映画は2018年制作なのだが、今時サイコなヴィランの造形があれ。80年代くらいからよく見るあれ。「トランスジェンダーとハリウッド」を観た後ではこういう描写をスルー出来ない。もうこういうサイコキラーステレオタイプやめようよ、単につまらないしさ。

 そして映画を好きな人にこそ「トランスジェンダーとハリウッド」はおすすめである。

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