映画を観る準備はできている。

映画についてのいろいろな話。

この映画で理解できるのはニコラス・ケイジだけだぜ!「ウィリーズ・ワンダーランド」

※ネタバレがあります。

 

予告編

 

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あらすじ

ニコラス・ケイジが製作・主演を務め、廃墟となったテーマパークで悪魔のようなアニマルロボットたちに襲われる人々を描いたアクションスリラー。車が故障し、人里離れた町に取り残された男。通りかかった修理工に助けられるが修理代を払えず、支払いの代わりに、廃墟となったテーマパーク「ウィリーズ・ワンダーランド」の清掃員として一晩だけ働くことに。しかしパークには暗い過去があり、かつて子どもたちに大人気だった動物キャラクターのロボットたちは恐ろしい殺人鬼と化していた。園内に閉じ込められた男は、容赦なく襲い来るロボットたちと死闘を繰り広げる。新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2021/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2021」(2021年7月9日~8月5日)上映作品。(映画.comより引用)

 

感想

 あらすじには書かれていないのだが、この映画には殺人ロボットを全滅させるべくテーマパークに火を点けようとする若者たちが出てくる。当初は外からガソリンをかけて火を点けよう!という計画だったのが、いろいろあって殺人ロボットがうようよしているテーマパークに入りこんでしまった若者たち。そしてその中には一組カップルがいるのだが、これが意味不明な行動をとる。なんと他の若者たちと離れて別室に閉じこもり、いちゃいちゃ(婉曲表現です)しはじめるのである!

 俺にはわからない…なぜそんなことをするのだろう…殺人ロボットがうようよしていいるのに…

 また、若者たちの中には中心人物であるリブに恋心を抱いている、というどうでもいい設定を背負ったクリス君という男の子がいる。このクリス君が殺人ロボットの一体に話しかけられるところがあり、ロボットは「わたし他のロボットとはちがうの、皆わたしのこと醜いって言っていじめるのよ」などと言う。もちろんそんな言葉にだまされるクリス君ではありません…ととても言いたいのだが、クリス君はなんとこの言葉を信じるのである!!

 俺にはわからない…なぜ信じるのだろう…やばい殺人ロボットだとわかっているはずなのに…

 まあそんなわけで本作は登場人物がよくわからないご都合主義な行動をとるタイプの映画なのだが、そんな中で唯一筋が通っているのがニコラス・ケイジなのである。

 ニコラス・ケイジは「一晩このテーマパークをお掃除したら車の修理代はチャラにしてあげますよ」と言われ、それを受け入れる。オファー時に、彼はテーマパークのオーナーから「ちゃんと休憩もするのですよ」と言われたのを忠実に守ってアラームが鳴ったらエナジードリンクを一缶飲みゲーム機でゲームしあとなんか踊ったりもして休憩を取る。そしててきぱきお掃除をし、その一環として邪魔する殺人ロボットどもをぶち殺し(死体はちゃんとゴミ袋に詰める)、たとえ外に出られるチャンスがあっても逃げようとしない。若者たちが出してあげようとして「ここにいたら殺されるんですよ」と言ってもそんなものは無視である。だってお掃除をしないといけないからだ。彼の行動は首尾一貫していて、「車を取り返す」ことを目的として「掃除をし」「休憩をする」。「殺人ロボットを始末する」は「掃除」部分に含まれているわけである。筋の通った論理的な行動をするニコラス・ケイジが見ていて非常に気持ちがいい。このわけのわからん世界であなただけが理解可能です。

 しかしこの映画、せっかくニコラス・ケイジがこんなにも共感度マックスの男を演じてくれているのに、それ以外がまるで駄目なのである。まず殺し方が駄目。ケヴィン・ルイス(監督です)よ、お主ホラー畑の人間ではないな…と思ってIMDBをチェックしてみたら、案の定、犯罪サスペンス系が多い人のようである。これをもしホラー愛にあふれ見せ方が分かっている監督が血しぶきやグロにまみれたすんげえ殺し方満載で撮っていてくれていたら怪作になっていたかもしれないのに…と、それが残念である。しかしニコラス・ケイジは見てくれ。

 

ちなみに

 ・ニコラス・ケイジは劇中一切しゃべりません。

 ・ニコラス・ケイジニコラス・ケイジと連呼してしまったが、役名はThe Janitor(清掃員)です。本名もわからないのさ!